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ご高齢者のカラオケを10倍楽しくするサポートのコツ

リリムジカでは、事業所様に対し担当のミュージックファシリテーター(以下FT)が月2回程度お伺いしている。
その際FTはピアノやキーボードなどの鍵盤楽器で必ず生伴奏をする。
生伴奏の一番のメリットは、伴奏に合わせて歌っていただくのではなく、みなさんの歌に合わせて伴奏をつけられることだ。
今のところ、この点は機械より人間が勝っている。

ところである日、私が担当している事業所様からこんなお電話をいただいた。

「今回は通常のプログラムではなくて、カラオケに行くのに同行してもらうことはできますか?」

なにそれおもしろそう!
生伴奏にメリットがあると思っている私だが、カラオケもどんどん有効活用した方が良いと思っている。
この時は利用者様・スタッフ様が外のお店にカラオケをしに行くとのこと。事業所で行うカラオケとはまた一味違った雰囲気になって、さらに楽しいこと間違いなし!
ということで喜んで同行させていただいた。

結果、スタッフ様から「柴田さんがいると全然違う、盛り上がる!」とお褒めの言葉をいただいたので、その時に私がしたことを基にカラオケに付き添うコツをまとめてみようと思う。

なお、私自身は音楽を仕事にしている身なので、記事の中には音楽的知識、曲の知識があるからできるという内容もある。一方で音楽は疎いという方、曲はそんなに知らないという方でも取り組める要素もあると思っている。
どれかひとつでも参考になって、ご高齢者のみなさまとのカラオケが充実したものになれば幸いです。

0.心構え
まず前提として、場にいる方の立ち位置には4種類のパターンがあると考えている。
①積極的にマイクを持って歌いたい人
②進められたらマイクを持って歌ってもいいと思う人
③マイクは持ちたくないがみんなで一緒に歌うのはOKの人
④歌わずに聞いていたい人

事業所のスタッフ様からよく聞くのは「歌う人がいつもだいたい決まっている」。場にいる全員ではなく、一部の方が①あるいは②ということだと思う。
そのカラオケの目的は、マイクで歌うのが好きな方や得意な方にそれを発揮していただくこと?
それとも③や④の方も含めてより多くの方が楽しめるようにすること?
目的を確認しつつ、どなたがどのタイプなのかを見極めながら時間をつくっていきたい。

特に③や④の方にマイクを押し付けないこと、①の方だけがずっと歌うのではなく②の方も気持ちよくマイクを持てる空気をつくることを意識すると、心地よく楽しめる方が多くなるのではないだろうか。

1.選曲する
①の方は、多くの場合歌いたい曲が決まっている。
しかし②、③、④の方に「何の曲がいいですか?」と聞いても「急に言われると出てこなくてね…」「なんでもいいですよ」など、明確な答えが返ってこないことも多い。
私が同行した際は、参加者のみなさまが幼少期~二十歳頃までに聞いたと思われる(今なら昭和初期~30年代くらいの)曲を勝手に選んで次々に入れた。その時代の曲を選ぶのは「懐かしい、よく聞いた。聞くと思い出せて歌える」となる可能性が高いからだ。
一緒に歌えるという点で、まずは選曲者が知っている曲を優先的に選ぶのもおすすめ。

2.キー(音の高さ)を変える
次にしたのはキーの高さを変えること。
ご高齢者の多くから「若い時に比べて声が出づらくなった」という声を聞く。実際、声帯が衰えると女性は高い声、男性は低い声が出づらくなるといわれている。
その状態でプロの歌手が若いころに歌った歌のキーに合わせて歌うのは、やっぱり難しい。
そこで、イントロが流れ始めてなるべく早い段階でキーの操作することをおすすめする。
(なるべく早い段階が良いのは、歌い出しの直前でキーが変わると混乱を招きやすいから)

≪音楽は詳しくない、音の高さとかよくわからない!という方へ≫
歌うのが女性の場合、美空ひばりを除くすべての曲で思い切って4〜5回ほど下げる(♭マーク)ボタンを押してしまってください。美空ひばりの曲(特に後期の曲)はもともとキーが低めで、他の曲ほど下げる必要がありません。
男性の場合は女性のキーほど調整しなくてもよい可能性があります。
いずれの場合も、歌い始めてご本人が歌いづらそうにされていたら、再度調整を試みてください。

≪音楽の知識がある方へ≫
下記の音域におさまるようにキーを設定してみてください。
(音域が広い歌では下記からはみ出すこともあります。逆に音域が広い歌は、上でなく下に合わせると歌いやすい可能性が高いです)

女性の場合
IMG_2773.jpg

男性の場合
IMG_2772.jpg

もちろん声には個人差があります。
いかなる時も上記におさまるようにすればOKということではなく、参考にした上でご本人にあった音域を探していただけたら嬉しいです

3.テンポ(曲の速さ)を変える
キーを変えた後は、必ずテンポも変えた。
カラオケをしていて、ご本人の歌うタイミングと伴奏がうまく合わないなぁと感じたことがある方も多いと思う。
少しゆっくりにすることで歌いやすくなる可能性が高いので、キーを変え終わったらなるべく早いタイミングで
 ゆったりした曲:『北国の春』、『星影のワルツ』など → 遅くするボタンを1~2回
 アップテンポの曲:『リンゴの唄』、『東京ラプソディ』など → 遅くするボタンを3~4回
これを参考に、キーと同様歌っているご様子を見ながら調整することをおすすめする。
(まれに原曲のテンポが非常にゆっくりで、逆に歌の方が速くなってしまうこともあるのでそれにも注意)

4.マイクを渡す
キーとテンポが整ったら、そのあとにマイクで歌えそうな方を探した。
先にマイクを持つ人を決めなかったのは、イントロが流れた時の反応を見てからおすすめしようと思ったからだ。
イントロを聞きながら曲のタイトルと歌い出しを告げる。「高原列車は行く、です。♪汽車の窓から〜 なんですけど…」
この時点で「ああ、あの歌ね!」という表情をした方を見つけたら「◯◯さん、いかがですか?」と名指しでマイクをお渡しした。
もちろん、お渡しする相手は冒頭でご紹介した4パターンのうち
①積極的にマイクを持って歌いたい人
②進められたらマイクを持って歌ってもいいと思う人
のいずれかに当てはまる人だ。

カラオケのマイクはたいてい2本。
マイクで歌えそうな方が2人いる場合は2本ともお渡しする。一方、最初にアプローチした方が「歌えるような歌えないような、ちょっと不安なような」という雰囲気だったら「私も一緒に歌いますので、いかがですか」とおすすめして、1本は自分が持つ。そしてできる限りその方の隣に行く。
もし事業所様でのカラオケで、進行役のスタッフ様の他に歌が得意なスタッフ様がいらっしゃる状況なら、その人に振って1本持っていただくのが良いと思う。

入れた曲をどなたも歌いたがらなかった場合は、
・歌いたくはない(または歌えない)けれど聞きたいという雰囲気 → (自分で歌えるなら)1番だけ歌う
・この曲あまり知らない、聞いてもつまらなそうという雰囲気 → 「あんまり知られていない曲を入れてしまいました、すみません〜!」と無理せず演奏停止で次の曲へ。

5.歌い出し
マイクを持つ人が決まったら、いざ歌唱へ。
1曲気持ちよく歌うために、最初の歌い出しのタイミングをバッチリ決めたいところ。
個人的に「さんハイ」「どうぞ」という声かけは好みではないので、手のひらを上に向けて、どうぞの動作のみで合図をした。
指揮の要領で、1拍前に腕を振り上げて、歌い出しと同時に降ろす。

6.演奏中。歌う?楽器を使う?
さて、歌が始まったら
③マイクは持ちたくないがみんなで一緒に歌うのはOKの人
にも楽しんでいただきたい。
そこで自分がマイクを持っていなくても一緒に歌い、みなさんで歌う雰囲気を作った。
逆に自分がマイクを持っている場合は、一緒にマイクを持って歌っている方を気づかいつつ、マイクを持っていない方にも笑顔でアイコンタクトを取ることで一緒に歌いやすい雰囲気になったように感じる。

ところで、カラオケといえばタンバリンなどの楽器を思い浮かべる方も多いと思う。
私の場合は、普段のプログラムでも使っている小物楽器(鈴、シェイカー、クラベス、鳴子など)を持参していたので、それをテーブルに置いて自由にお使いいただくようにした。
もし使える楽器があるのならそれを活用することで、
③マイクは持ちたくないがみんなで一緒に歌うのはOKの人
④歌わずに聞いていたい人
が参加できる可能性が上がる。

ただ、ずっと持ちっぱなしだとお疲れになる方もいらっしゃると思う。
いつでも自由に使えるようにしておきつつ、アップテンポな曲や民謡(炭坑節、花笠音頭など)のときには「よかったらお近くの楽器使ってくださいね」とご案内して自分も演奏。一方ゆったりした曲のときは楽器をテーブルに置くようにした。

7.間奏明け、再び合図
カラオケの場合は画面に歌詞が出るので、歌詞が消える=間奏と理解しやすいと思う。
問題は間奏明けで2番に入るタイミングで、ここを気持ちよく入れるように、最初の歌い出しと同じく「どうぞ」の動作のみで合図を行った。

8.歌い終わったら
1曲終わるごとに拍手。そしてマイクを持った方に「◯◯さん、ありがとうございました!」とお伝えした。

カラオケだとすぐ次の曲が始まってしまうが、もしここで「この曲懐かしいわ〜」「この歌手の歌を聞きに●●ホールに行ったんだよ」「この頃は女学生だったかしら」なんてお話が出たら、その話題を楽しむ時間があると良いなぁと個人的には思う。次の曲が始まりそうになったら一時停止ボタンをポチ。
歌を歌うことで身体的な健康への良い影響(嚥下や呼吸機能の維持など)を期待する側面もあるけれど、多くの方が「音楽は記憶を想起させる」と実感されていると思う。その部分を大いに活用してみるのはいかがでしょうか。

9.そのほか私たちにできること
たとえば、画面の歌詞を見て歌うのが難しい方もいらっしゃると思う。
識字が難しい方や視力が弱い方、円背で顔を上げて画面を見続けるのが辛い方など。
そうした方々でも歌う意欲をお持ちなら、付き添う人が歌詞の「先読み」をすることをおすすめする。
先読みとは、歌う直前に歌詞の1フレーズを読み上げること。
『ふるさと』を例にするとこんな感じ。

(先読み:うさぎ追いし)
♪うさぎ追いし  かの山〜〜〜(先読み:小ぶな釣りし)
♪こぶな釣りし かの川〜〜〜(先読み:夢は今も)

『ふるさと』であれば歌詞を記憶している方は多いので、「うさぎ追いし」がわかればそのまま「かの山」まで歌える可能性が高い。
曲や人によって、全部先読みするのか、ところどころでいいのか、試してみていただけると嬉しい。

10.まとめ
・マイクを持ちたい人、持ちたくない人、いろいろいらっしゃる。
・選曲は今なら昭和初期〜30年代を中心に。
・キーを下げるボタンを4〜5回、テンポを遅くするボタンを多いときで3〜4回くらい押す。
・イントロを聞きながら歌えそうな人にマイクを渡す。
・歌い出しで合図を出す。
・マイクなしで歌ったり楽器を使ったりしてみなさんで楽しむ。
・間奏が入る度に次の歌い出しの合図を出す。
・歌い終わって何か話が出たら、その話題を味わう。
・画面を見るのが難しい方には先読みを。

素敵なカラオケタイムになりますように!
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